戸籍の死亡日に「推定」の記載がある場合の相続登記の原因日付
相続による所有権移転登記を申請する場合、登記申請書には「令和7年8月1日相続」のように登記原因及び日付を記載する必要があります。そして登記が完了した際には、この登記原因及び日付が登記簿に記載されることになります。
この原因日付については、被相続人の戸籍に記載された死亡日を登記申請書に記載することとされています。
「推定」や「〇日頃」と記載されるケース
ところで、事情によっては、戸籍の死亡日時に「推定令和7年8月1日」や「令和7年8月1日から10日の間」といった記載がされることがあります。これは、事故死や孤独死などにより死亡日時が明らかでない場合にこのような記載がなされるためです。
この場合でも、原則として、戸籍の死亡日欄に記載の日付どおりに登記するものとされています。そのため、登記簿には以下のような内容で記載されることとなります。
- 「推定令和7年8月1日相続」
- 「令和7年8月1日頃相続」
- 「令和7年8月1日から8月10日の間相続」
「推定」の文字を省略できる可能性について
もっとも、「推定」といった文字が登記簿に記載されると、第三者が登記簿を見たときに孤独死等があったことを想起させるため、当該不動産を売却する際などに懸念が生じることがあり得ます。
この点につき、登記官が執筆した書籍の見解として、以下のような解釈がございます。
登記申請書に「推定」の文字を省略することを登記申請人が希望する旨を明示した場合には、「推定」の文字を省略して「令和7年8月1日相続」のように登記ができると解する。
ただし、この見解どおりに取り扱われるかは各法務局によって対応が異なるようです。もし「推定」の文字を省略して登記することを検討される場合には、司法書士へ相談してみることをお勧めいたします。
⚠️ ご注意
この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律的な助言を行うものではありません。具体的な登記手続きについては、必ず管轄の法務局または専門家(司法書士等)にご確認ください。