契約者貸付がある保険金①
契約者貸付ってなに?
生命保険会社からお金を借りている状態です
特に終身保険などに加入されているご家族から、相続のご相談に際して、「契約者貸付って、相続のときどうなるの?」という質問をいただきました。
オーナー経営者様や個人事業主をはじめ、資金繰りの一案として「契約者貸付」を使われるケースがあります。生命保険の契約者貸付とは、保険の解約返戻金を担保にして、保険会社からお金を借りられる制度です。いわば、契約者が自分の保険を現金化できるため、急な出費や納税、事業資金などに活用されるケースも少なくありません。
この制度のポイントは、「借りたお金は死亡保険金(あるいは解約時の解約返戻金)から差し引かれて精算される」という点です。たとえば、死亡保険金1,000万円の契約で貸付残高が200万円ある場合、実際に支払われる保険金は800万円前後になります。つまり、契約者貸付を利用することは、将来受け取る保険金の一部を“前借り”しているような状態といえます。
相続時の保険金の評価
では、この保険金は相続時にどのように扱われるのでしょうか。今回は、契約者(父)=被保険者(父)、受取人(子)が相続人という生命保険について解説します。
上記の場合、契約者貸付の額に相当する保険金200万円と契約者貸付による債務200万円はいずれもなかったものとして取り扱われます。したがって、相続税の計算では生命保険金の課税対象額は、貸付金を差し引いた実際の受取額(上記の例では約800万円)で計算されます。思っていたより少ない金額になることもありますのでご注意ください。
ちなみに、契約者貸付を受けた時点では、契約者(父)への課税はありません。相続時に、受取人(子)が実際に受け取った額に応じて課税対象額が決まる、という仕組みです。
また、貸付を長期間返済せずに放置すると、利息が複利で増えていきます。その結果、貸付残高が解約返戻金を上回ると契約が失効し、せっかくの保障がなくなってしまう場合もあります。相続対策として加入していたのに、契約者貸付が原因で保険金が受け取れなくなる――そんなケースもあり得ますのでご注意ください。
契約者貸付は便利な制度ですが、借りていたこと自体を忘れてしまうことや、保険料の引き落としができなかったときに、自動的に貸付をされているというケースもございます。思い当たるご契約をお持ちの方は、定期的な残高確認が欠かせません。
相続対策の観点では、「貸付残高がいくらあるか」「返済の意思があるか」を把握しておくことが重要です。将来の相続手続きでご家族が戸惑わないよう、契約内容を整理し、信頼できる担当者とともに管理しておくことをおすすめします。
※このご案内に記載の情報は法律上又は税務の助言ではありません。このご案内をもって専門家の助言に代えることはできません。
このご案内は、登録日現在の税制に基づいています。今後、制度内容が変更される場合があります。個別の税務取扱いについては、所轄の税務署もしくは税理士等にご確認ください。
文責
プルデンシャル生命保険株式会社
東京第三支社
ライフプランナー 松尾亮二
思い通りに財産を残したい、そして100%受け取っていただきたい。相続のお悩みは、専門家の協力があってこそ、ご家族の幸せな未来につながると感じております。
複数の対策案のメリットやデメリットをご案内し、オーダーメイドの解決策を導いていく存在を目指します。
相続および、ライフプランニングのプロとして、お客様お一人お一人の想いを伺い、形にするお手伝いをさせて頂いておりますので、お気軽にご相談ください。