相続コラム

契約者貸付がある保険金②

契約者貸付がトラブルに?

相続時に発覚。契約者貸付

前回は、契約者貸付のある保険の相続税評価についてお話ししました。それに関連して、相続の現場で実際に起こりやすいのが、「保険金の受取額が思っていたより少なかった」というケースです。

その原因のひとつは、契約者貸付の存在を家族が知らなかったことにあります。契約者本人が資金繰りのために貸付制度を利用していたものの、家族へ説明していなかったため、保険金の請求時に初めて差し引かれていたことを知る──というパターンです。

また、契約者貸付には「保険料の自動振替貸付」という仕組みが付いている場合もあります。これは、保険料の払い込みが一時的にできなくなった際、保険会社が自動的に貸付扱いにして保険料を立て替える制度です。すべての保険種類について適用されているわけではありませんが、都度契約者に承認を取る制度ではありません。契約者にその意識がなくても、いつの間にか貸付残高が発生していることもあるため、注意が必要です。

税務上は、前述のとおり貸付残高は被相続人の債務として相続財産から控除できますが、相続人にとっては「どの契約に、いくらの貸付があるか」を正確に把握しておかないと、申告漏れやトラブルの原因になります。特に、複数の保険契約を保有している方は、一覧表などで整理しておくと安心です。

また、相続人間での誤解も起きやすい部分です。貸付があると「父が借金を残した」と受け取られることがありますが、実際には解約返戻金の範囲内での制度にすぎません。説明不足のままだと、相続人同士の不信感を招くことにもなりかねません。

こうしたリスクを防ぐためには、まず契約内容を定期的に見直し、貸付残高や返済状況、そして受取人を明確にしておくことが大切です。そして、信頼できる家族や専門家に「貸付がある保険がある」ことを共有しておく。これだけでも、将来のトラブルを大きく減らすことができます。

生命保険は、本来「大切な人にお金を確実に届ける」ための手段です。契約者貸付の仕組みを正しく理解し、相続の際にその想いがきちんと届くよう、今のうちから情報整理と見直しをしておきましょう。


※このご案内に記載の情報は法律上又は税務의 助言ではありません。このご案内をもって専門家の助言に代えることはできません。
このご案内は、登録日現在の税制に基づいています。今後、制度内容が変更される場合があります。個別の税務取扱いについては、所轄の税務署もしくは税理士等にご確認ください。

文責

プルデンシャル生命保険株式会社
東京第三支社
ライフプランナー 松尾亮二

思い通りに財産を残したい、そして100%受け取っていただきたい。相続のお悩みは、専門家の協力があってこそ、ご家族の幸せな未来につながると感じております。
複数の対策案のメリットやデメリットをご案内し、オーダーメイドの解決策を導いていく存在を目指します。
相続および、ライフプランニングのプロとして、お客様お一人お一人の想いを伺い、形にするお手伝いをさせて頂いておりますので、お気軽にご相談ください。

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