相続コラム

遺言と死後事務委任契約

遺言と死後事務委任契約

みなさん、遺言と死後事務委任契約についてご存じでしょうか。
遺言は聞きなじみがあると思いますが、死後事務委任契約についてご存じない方が多いかと思いますので、死後事務委任契約について重点的に確認していきましょう。

死後事務委任契約は遺言とセットで考えられることが多く、遺言でお金・財産のこと、死後事務委任契約で亡くなった後の手続きのことをそれぞれ分担させて、死後の不安やトラブルを防ぐことができます。

1. 遺言の法的性質と決められること

まず、遺言の法的性質についてみていきましょう。遺言は民法に基づく単独行為であり、本人の死亡と同時に効力が発生します。相続人は遺言の様式を満たしている場合には原則として従わなければなりません。

遺言で「必ず」決められることを挙げていきます。

  • 財産の承継について
    不動産(所在地・地番まで特定)、預貯金(金融機関・支店・口座)、有価証券、動産・デジタル資産(暗号資産など)の行方を指定できます。
  • 相続人の指定・排除について
    法定相続人以外(内縁配偶者・友人・団体)にも相続させることが可能です。また、推定相続人の廃除も可能です。
  • 遺言執行者の指定について
    遺言内容を実行する人である遺言執行者は、不動産登記・預金解約を単独で行うことができます。相続人の同意や協力が不要となるため、実務では司法書士や弁護士を指定することが多いです。

【注意点】
相続人には「遺留分(最低限受け取れる権利)」がある点には注意が必要です。

2. 遺言の限界と「死後事務委任契約」の役割

遺言で決めることができる内容には限界があります。具体的には「葬儀の手配」「納骨方法の強制」「役所手続き」「契約の解約」「ペットの世話」などは、遺言で法的な拘束力を持たせることができません。

ここで死後事務委任契約が登場します。法的性質は民法の委任契約にあたり、死後も効力が存続する特殊な契約となります。

3. 死後事務委任契約で委任できる内容

具体的に、どんなことを委任できるかを見ていきましょう。

死亡直後から葬儀・供養まで

  • 死亡届の提出、火葬許可申請
  • 葬儀社の手配、喪主代行
  • 葬儀形式の指定(家族葬・直葬など)や費用上限の設定
  • 納骨・永代供養・散骨の実施、戒名の有無

行政・契約関係・その他

  • 健康保険・年金の資格喪失手続き
  • 公共料金(電気・水道・ガス)の解約
  • 携帯電話・インターネット・クレジットカード・サブスクリプションの解約
  • 家財処分、賃貸住宅の明渡し
  • 施設・病院費の精算

4. 専門家への依頼と費用の支払いについて

死後事務委任契約は、司法書士・行政書士・弁護士、または信頼できる個人に頼むことが多く、遺言執行者と死後事務の受任者を同一人物にするケースが一般的です。

そのため、報酬や諸費用が高額になる傾向があります。実務では、遺言の中で「遺言執行者および死後事務受任者への報酬を相続財産から支払う」と定めておく手法が多く取られています。


以上、遺言と死後事務委任契約の関係性について解説しました。
今後、遺言で相続財産の分配を考えられている方は、死後事務についても「誰に何を委任するか」をあわせて検討されてみてはいかがでしょうか。

このコラムの監修者

みずたに くにお水谷 地男
三重県エリア担当
所属:みずたに司法書士事務所
はじめまして、三重県津市の司法書士、水谷地男(くにお)です。ホームページをご覧いただき ありがとうございます。 普段なかなか馴染みのない司法書士…。いざ依頼をしてみようとなった際に、「司法書士ってどんなことをしてくれるのだろう?」「何をどのように相談したらいいのだろう?」と不安に感じる方もいらっしゃると思います。 そんな不安に、「親切・丁寧・誠実」をモットーに、分かりやすく丁寧な対応をいたします。面談のなかで順々にお話をうかがっていきますので、構えずお気軽にご相談にいらしてください
みずたに くにお水谷 地男
はじめまして、三重県津市の司法書士、水谷地男(くにお)です。ホームページをご覧いただき ありがとうございます。 普段なかなか馴染みのない司法書士…。いざ依頼をしてみようとなった際に、「司法書士ってどんなことをしてくれるのだろう?」「何をどのように相談したらいいのだろう?」と不安に感じる方もいらっしゃると思います。 そんな不安に、「親切・丁寧・誠実」をモットーに、分かりやすく丁寧な対応をいたします。面談のなかで順々にお話をうかがっていきますので、構えずお気軽にご相談にいらしてください

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