遺言信託という幻想 その2
遺言信託のデメリット
遺言信託のデメリットは大きく分けると以下の3点です。
①コスト
②紛争になった場合の責任
③本当の専門性の不存在
①コスト
コストは各行で多少違いますが、遺言書作成時に一定額(30~100万円)、相続発生時に相続財産の~%(最低100万円)となっていることが多いです。言うまでもなく一般市民からするとお高いですが、逆に言うとこれを高いと思う人には向いていない商品です。
②紛争になった場合の責任
相続人間での紛争に関しては、弁護士会との間で協定が結ばれています。簡単に言うと紛争案件の遺言執行業務は弁護士法に抵触する可能性があるので、信託銀行は遺言執行社への就任を辞退するか、辞任するということです。実際、何度か紛争になってしまった案件を見ていますが、信託銀行はスーッと波が引くように退いていきます。この場合、遺言者の意思の実現はできなくなり、遺言を作成した意味が大きく失われます。このため、信託銀行は遺留分に反する遺言書の作成をしたがらないのです。
③本当の専門性の不存在
さて、専門性の欠如ですが、銀行に相続の専門家はいないというのが私の持論であり、実感です。その理由は、①銀行員には異動があること、②税理士や弁護士で能力のある人間は独立してしまうこと、③税務や登記はそれぞれ税理士と司法書士に外注していることが挙げられます。実際に信託銀行の作成した遺言書を数十回見ていますが、自社の利益や安全性ばかり重視した内容で、依頼者の利益や気持ちを全く考慮していないものも少なくありません。それどころか税務上大変な問題がある遺言もありました(その遺言は正式に撤回してもらいました)。
結論
結論として、遺言信託は本当の富裕層(総資産10億円以上)で家族仲が円満な方々のみが利用すべきであり、一般市民が銀行の無理な営業で契約するものではないということです。
私は仕事柄、相続や遺言関係の相談を受けることが多々ありますが、中には既に遺言信託を契約している方や営業を受けている方が一定数いらっしゃいます。そういった場合、必要性を判断した上で事情を説明し、ご納得いただいたうえで遺言信託を解約してもらっています。
万物に共通しますが、向こうから営業してくるものにろくなものはありません。
ちなみにその1の冒頭の遺言信託を契約してしまった方の相続人様は、遺言信託を解約し、弊所で遺産整理業務をご依頼いただきました。同じ業務内容でコストは凡そ3分の1です。
文責:司法書士 庄田和樹
このコラムの監修者
- 司法書士
- 東京都エリア担当
所属:司法書士法人 神楽坂法務合同事務所
相続太郎のホームページをご覧いただきありがとうございます。
司法書士の庄田と申します。
司法書士事務所を開業してから約10年、相続のお問い合わせは年々増えています。
家族仲がよく、全く揉めることなく終わる相続は大体2割くらいです。
法的、税務的に問題がある場合もありますし、感情的な問題がある場合も多くあります。
残念ながら日本では生きているうちに自分が亡くなった後のことをきちんと整理しておこうと積極的に行動される方はまだ少数派です。
遺言を書く、保険に入っておく、不動産を分割しやすいように整理しておくなど、終活は残される方への愛情だと思います。
相続太郎というキャラクターは相続のことを話すハードルを下げるために作りました。
お気軽に、まずはご相談下さい。
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法的、税務的に問題がある場合もありますし、感情的な問題がある場合も多くあります。
残念ながら日本では生きているうちに自分が亡くなった後のことをきちんと整理しておこうと積極的に行動される方はまだ少数派です。
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