除籍謄本と改製原戸籍について
はじめに
相続手続きで戸籍謄本を取得する際に、「除籍謄本」や「改製原戸籍」も取得する必要がある場合があります。この記事では、除籍と改製原戸籍について、相続手続きで必要になる理由等を説明します。
〇除籍謄本とは?
戸籍に記載されている人が死亡や婚姻などにより戸籍から抜けることを、除籍といいます。戸籍に記載されている人全員が戸籍から抜け、誰もいなくなった戸籍のことを除籍簿といいます。
また、除籍簿の全部についての写しを除籍謄本(除籍全部事項証明書)、一部の人についての写しを除籍抄本(除籍個人事項証明書)といいます。
●除籍になる理由
・死亡
・婚姻
・離婚
・転籍(本籍地を変更すること)
・分籍(入っている戸籍から分かれて、自身を筆頭者とする戸籍をつくること)
〇改製原戸籍(かいせいげんこせき・かいせいはらこせき)とは?
戸籍は、法改正やシステム変更によって様式が改められることがあります。この改められる前の戸籍(元の戸籍)を改正原戸籍といいます。
〇除籍謄本・改製原戸籍が必要な理由
相続手続きでは、被相続人が死亡した時点での戸籍だけでなく、出生から死亡するまでの連続した戸籍を揃える必要があります。
現在の戸籍に記載されている情報だけでは、亡くなられた方の過去の情報(婚姻歴や養子縁組等)すべてが記載されていないため、遡って調査をすることで相続人を確定することができます。
その過程で、古い戸籍(除籍謄本や改製原戸籍)も取得する必要が出てきます。
〇除籍謄本、改製原戸籍取得の注意点
1. 保存期間(令和6年現在)
除籍と改製原戸籍には保存期間が定められています。平成22年以前は80年でしたが、平成22年の戸籍法の改正により、150年になりました。
※除籍となった年度、改製した年度の翌年から150年です
平成22年よりも前に、保存期間が80年経った除籍は廃棄されてしまっている場合があります。原則保存期間がすぎれば廃棄されますが、自治体によりまだ廃棄されずに保管していることも多くあります。
また、地域により、災害などの影響で情報が失われている場合もあります。
2. 請求できる人の範囲
請求の手続きができるのは、戸籍に記載されている本人とその配偶者、または直系の親族に限定されます。それ以外の人が請求する場合は、委任状や利害関係の分かる書類など、役所によって書類が必要な場合があります。
〇まとめ
除籍謄本や改製原戸籍は、相続手続きにおいて相続人を確定させるために必要な書類です。家族構成が複雑な場合や不明点が多い場合は、司法書士などの専門家のサポートを受けることで、効率よく手続きをすすめることができます。
(文責:司法書士 金光 康太)
このコラムの監修者
- 司法書士
- 大阪府エリア担当
所属:司法書士法人LSO
司法書士法人LSOは、大阪市北区に拠点を置く司法書士事務所です。
お客様一人ひとりに向き合い、最適な法的サービスを提供することで、安心で活気ある社会の実現を目指しています。
遺言書の作成、遺産分割協議、相続登記など、専門知識と豊富な経験を持つ司法書士が、丁寧に対応いたします。
安心して相続手続きを進められるよう全力でサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
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