相続コラム

相続財産に気づかない? 課税明細書に記載されない不動産とは

 令和6年4月1日から相続登記が義務化されました。
 亡くなった方(被相続人)の財産に不動産が含まれている場合、相続登記をする必要があります。
 被相続人宛に固定資産税の納税通知書が届いている場合、その課税明細書に記載されている不動産について相続登記をすれば良いようにも思えます。
 しかし、「課税明細書に記載されていない不動産」が存在している可能性もあり、その場合は、相続登記すべき不動産に気づかないという可能性もあります。

固定資産税が課税されていない不動産が存在することも

 固定資産税を納める義務のある人は、1月1日現在の土地・建物の所有者です。1月1日時点の所有者に対して、各自治体から固定資産税の納税通知書が郵送されてきます。
 しかし、評価額の低い不動産については固定資産税が課税されず、課税明細書に記載されていないことがあります。
 課税明細書に記載されていない不動産については、相続人が相続財産であると気づかず、相続登記をしないまま時間が経過してしまうケースもあります。

市区町村役場で「名寄帳」を取得してみましょう

 そこで、市区町村役場で「名寄帳(なよせちょう)」を取得してみましょう。被相続人の名義となっている不動産について、固定資産税が課税されていない不動産を含めて把握することができます。
 名寄帳は、不動産の名義人だけでなく、名義人の相続人が取得することもできます(取得の際に、相続人であることを証する戸籍等が必要になりますので、詳細は各自治体にお問い合わせください)。
 ただし、名寄帳には、他の自治体の不動産は記載されないため注意が必要です。

新制度「所有不動産記録証明制度」も始まります

 令和8年2月2日に、新しく「所有不動産記録証明制度」が始まります。法務局の登記官が、特定の被相続人について登記簿上の所有者として記録されている不動産をリスト化し、証明するという制度です。「所有不動産記録証明制度」の詳細はこれから明らかになっていくと考えられますが、現段階ではメリット・デメリットの両面が指摘されています。新制度の開始を待たずに、相続登記はできるだけ早く行うことをお勧めいたします。
 相続登記の義務化については、ぜひ司法書士までご相談ください。
(文責 司法書士 小林あき)

このコラムの監修者

こばやし あき小林 あき
司法書士
長野県エリア担当
所属:NK司法書士事務所

長野県安曇野市と松本市の境目にある司法書士事務所です。
相続のご相談を多数受けてきた経験から感じることは、多くの方が、ご相続が発生して初めて「何をどうすればいいのだろう」と疑問・不安をお持ちになるということです。ご相続が発生すると、大切な方との別離という悲しみの中、多くの慣れない事務処理をしなくてはならないため、相続人の方の精神的なご負担が大きなものとなります。

当事務所では、相続のお手続きが少しでもスムースに進むようにアドバイスやサポートをさせていただきます。また、お元気なうちから「万が一の時」に備えてどのような対策を取っておけるのかを考えたい方も、是非ご相談ください。

こばやし あき小林 あき

長野県安曇野市と松本市の境目にある司法書士事務所です。
相続のご相談を多数受けてきた経験から感じることは、多くの方が、ご相続が発生して初めて「何をどうすればいいのだろう」と疑問・不安をお持ちになるということです。ご相続が発生すると、大切な方との別離という悲しみの中、多くの慣れない事務処理をしなくてはならないため、相続人の方の精神的なご負担が大きなものとなります。

当事務所では、相続のお手続きが少しでもスムースに進むようにアドバイスやサポートをさせていただきます。また、お元気なうちから「万が一の時」に備えてどのような対策を取っておけるのかを考えたい方も、是非ご相談ください。

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