親が元気なうちに話しておきたい相続のこと。円満に話を進める「切り出し方」と「確認すべき5つのポイント」
はじめに
「そろそろ、親の相続のことも考えないとな…」 「でも、お金の話みたいで、どう切り出せばいいか分からない…」
40代、50代になると、多くの方が親の将来や相続について考え始めます。しかし、非常にデリケートな話題であるため、なかなか話を切り出せずに時間が経ってしまう、というケースは少なくありません。
しかし、相続の話は、親が元気で、判断力もしっかりしているうちにしておくことが、将来の家族の円満にとって何よりも大切です。
この記事では、相続の話を円満に進めるための「上手な切り出し方」と、親子で「最低限これだけは確認しておきたい5つのポイント」を分かりやすく解説します。
なぜ、親が元気なうちに話す必要があるのか?
相続の話を先延ばしにすべきでない理由は、主に2つあります。
- 親の本当の想いを知るため: 親がどんな財産を誰に遺したいのか、その想いを直接聞けるのは、親が元気なうちだけです。認知症などで判断能力が低下してしまうと、その意思を確認することは非常に困難になります。
- 相続発生後のトラブルを防ぐため: いざ相続が始まってからでは、兄弟姉妹間での話し合いが感情的になりがちです。事前に親の想いや財産の状況を共有しておくことで、相続人全員が冷静に、そしてスムーズに手続きを進めることができます。
【実践】相続の話、どう切り出す?
いきなり「相続の話をしよう」と切り出すのは、やはりハードルが高いものです。大切なのは、自然な会話の流れで話題にすることです。
- きっかけ例1:「実家の片付け」から 「最近、使ってない部屋の片付けでも手伝おうか?大切な書類とか、どこにあるか分からなくなると大変だし」 → 片付けをしながら、権利証や保険証券などの保管場所を自然に確認できます。
- きっかけ例2:「知人の話」として 「友達のところが、最近お父さんの相続で大変だったみたいでさ。遺言書がなくて兄弟で揉めちゃったんだって。うちはどうなのかなって、ちょっと気になって」 → 第三者の話を例に出すことで、直接的でなく、客観的に話題を振ることができます。
- きっかけ例3:「法改正のニュース」から 「最近、相続登記が義務化されたってニュースでやってたよ。実家の登記ってどうなってるんだっけ?」 → 社会的な話題として切り出すことで、個人的なお金の話という印象を和らげます。
大切なのは、「あなたの財産が知りたい」ではなく、**「将来、私たちが困らないように準備しておきたい」「お父さん(お母さん)の想いを大切にしたい」**という、思いやりの気持ちを伝えることです。
親子で確認しておきたい5つのポイント
会話のきっかけができたら、以下の5つのポイントを少しずつ確認していきましょう。一度に全てを聞き出そうとせず、何度かに分けて話すのが円満に進めるコツです。
ポイント1:遺言書の有無と保管場所
まずは「遺言書はある?」と聞いてみましょう。もし「ある」と答えたら、「どこに保管しているか」を必ず確認してください。公正証書遺言であれば公証役場に、自筆証書遺言であれば法務局の保管制度を利用しているか、自宅の金庫なのか、その場所が分からないと意味がありません。
ポイント2:大切な書類の保管場所
以下の書類がどこにあるか、リスト化して共有してもらうのが理想です。
- 不動産の権利証(または登記識別情報通知)
- 預貯金通帳、キャッシュカード
- 生命保険の保険証券
- 有価証券(株など)の取引報告書
- 年金手帳
ポイント3:大まかな資産と負債の状況
詳細な金額まで聞く必要はありません。「不動産は実家だけで、ローンは終わっている」「預貯金は〇〇銀行と△△銀行がメイン」といった大枠を把握しておくだけで、いざという時の手続きが格段にスムーズになります。借金やローンの有無も、忘れずに確認しましょう。
ポイント4:誰に何を遺したいかという親の想い
「この家は長男に継いでほしい」「お世話になった〇〇さんにも少し遺したい」など、親が抱いている想いを直接聞くことは非常に重要です。この「親の想い」が、遺産分割協議の最も大切な指針となります。
ポイント5:兄弟姉妹間での情報共有
親と話した内容は、必ず他の兄弟姉妹にも共有しましょう。「自分だけが親と話している」という状況は、後々の不信感やトラブルの原因になります。「この前、お父さんとこんな話をしたよ」とオープンに情報共有することが、円満相続の鍵です。
まとめ
相続の話は、決して「お金の話」ではありません。それは、親が築き上げてきた人生と想いを、次の世代がどう受け継いでいくかという、家族の物語の続きを話し合う大切なコミュニケーションです。
親が元気で、家族みんなが穏やかな気持ちで話せる今こそ、最高のタイミングです。
「相続太郎」では、ご家族での話し合いをサポートする専門家もご紹介しています。何から話せばいいか分からない、という場合でも、お気軽にご相談ください。
このコラムの監修者
- 相続サポートの案内人
- 東京都エリア担当
相続太郎のホームページをご覧いただきありがとうございます。
相続を愛し、相続に愛された男!相続太郎だ!
相続の手続きは本当に複雑です。
疑問や不安もたくさんあると思います。
その疑問や不安をわかりやすく、丁寧に伝えるのが私の"使命"です。
みなさんに寄り添って、一緒に相続の問題を解決したいと思っています。
お気軽に、まずはご相談下さい。
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