遺言の効力
遺言の効力発生時期と条件
遺言の効力は、原則として遺言者の死亡の時から生じます(民法985条1項)。
もし遺言に「停止条件」が付けられていた場合、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は条件が成就した時から効力を生じます(985条2項)。
遺贈の放棄と承認
遺贈(遺言による財産の処分)を受けた者(受遺者)は、遺言者の死亡後であればいつでも、遺贈の放棄をすることができます。
- 放棄の効力:遺言者の死亡の時にさかのぼって発生します(986条)。
- 催告権:遺贈義務者や利害関係人は、受遺者に対し、期間を定めて「承認か放棄か」を回答するよう催告できます。期間内に回答がない場合、承認したものとみなされます(987条)。
- 撤回の禁止:一度承認または放棄した遺贈は、原則として撤回できません(989条1項)。
※ただし、民法総則等の規定に基づき、一定の制約下で「取消し」ができる場合があります(989条2項)。
包括遺贈と受遺者の権利
遺贈の対象が財産の全部または一部を包括的に示す「包括遺贈」である場合、包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有するとされています(990条)。
また、受遺者は遺贈の履行を請求できる時から、その目的物から生じる利益(果実など)を取得する権利を持ちます(992条)。
遺贈の目的が相続財産に属さない場合
遺贈の目的である権利が、遺言者の死亡時に相続財産に属していなかった場合、その遺贈は原則として効力を生じません(996条)。
ただし、例外的にその権利が相続財産に属するかどうかにかかわらず遺贈の目的とされたと認められるときは有効となります。この場合、遺贈義務者は以下の対応が必要になります(997条)。
- その権利を取得して受遺者に移転する義務。
- 取得が困難、または過分な費用を要するときは、その価額を弁償する。
負担付遺贈(義務を伴う遺贈)
遺贈に何らかの義務(負担)が課されている場合を「負担付遺贈」と呼びます。
- 責任の範囲:受遺者は、遺贈の目的の価額を超えない限度でのみ、その義務を履行する責任を負います(1002条1項)。
- 不履行の場合:受遺者が義務を履行しない場合、相続人は家庭裁判所に対し、遺言の取消しを請求できる場合があります(1027条)。
本解説は民法(第985条〜第1027条)の規定に基づいています。
このコラムの監修者
- 司法書士
- 千葉県エリア担当
所属:松田事務所
相続太郎のホームページをご覧いただきありがとうございます。
司法書士の松田と申します。
司法書士をしていると、普通に生活していれば出会う事もなかったであろう人と、お仕事を通じて出会えることができ、面白いと感じております。しかも、マイホームの購入、ローンの完済、相続の開始等、皆様の人生において重要な節目に立ち会わせて頂くことができ、ありがたい職業です。
多くの方は、ご両親の相続を二度経験し、ご自身の相続を一度迎えることになります。相続と言っても、法律関係・税務関係・不動産売却等様々な要素が重なりあっております。一度や二度の経験では大変難しいものだろうと思います。幸いなことに、お客様から頂いたお仕事を通じ、様々な相続を経験してきました。お客様の相続を最善の相続にできるよう、私の経験をお客様に還元できればと思います。
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