遺言の執行1
【法務解説】遺言の効力発生と執行の手続きについて
遺言は遺言者の死亡の時から効力を生じますが(民法985条1項)、その内容を現実のものとするためには、厳格な手続きと、執行者の積極的な活動が不可欠です。
1. 遺言書の保全と検認手続き
遺言の執行において、まず重要となるのが遺言書の保全と真偽の確認です。
検認の義務と例外
遺言書の保管者や、遺言書を発見した相続人は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出し、「検認」を請求しなければなりません(1004条1項)。
- 公正証書遺言の場合:検認の規定は適用されません(1004条2項)。
- 自筆証書遺言などの場合:原則として検認が必要です。
開封の制限と過料
偽造・変造を防ぐため、封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人またはその代理人の立会いがなければ開封することはできません(1004条3項)。
【注意】
これらの規定に違反して検認を経ずに遺言を執行したり、裁判所外で開封したりした者には、5万円以下の過料が科せられる可能性があります(1005条)。
2. 遺言執行者の選任と資格
遺言の執行実務を担うのが遺言執行者です。
- 指定:遺言者は、遺言によって1人または数人の執行者を指定できます。また、第三者にその指定を委託することも可能です(1006条1項)。
- 選任:遺言執行者がいない場合や欠けた場合は、家庭裁判所が利害関係人の請求によって選任できます(1010条)。
- 欠格事由:未成年者および破産者は、遺言執行者となることはできません(1009条)。
3. 遺言執行者の任務と権限
執行者は就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければなりません(1007条1項)。
相続人への通知と財産目録の作成
- 通知義務:任務を開始したときは、遅滞なく遺言の内容を相続人に通知する必要があります(1007条2項)。
- 目録作成義務:遅滞なく相続財産の目録を作成し、相続人に交付しなければなりません(1011条1項)。
- 相続人の請求があるときは、その立会いをもって作成するか、公証人に作成させる義務があります(1011条2項)。
執行者の権利義務と責任
執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します(1012条1項)。特に遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができます(1012条2項)。
また、執行者には以下の義務と権利が認められています。
- 善管注意義務:善良な管理者の注意をもって任務を処理する義務が課せられます(1012条3項、644条)。
- 復任権:執行者は自己の責任で第三者(復受任者)に任務を行わせることも可能です(1016条1項)。
このコラムの監修者
- 司法書士
- 千葉県エリア担当
所属:松田事務所
相続太郎のホームページをご覧いただきありがとうございます。
司法書士の松田と申します。
司法書士をしていると、普通に生活していれば出会う事もなかったであろう人と、お仕事を通じて出会えることができ、面白いと感じております。しかも、マイホームの購入、ローンの完済、相続の開始等、皆様の人生において重要な節目に立ち会わせて頂くことができ、ありがたい職業です。
多くの方は、ご両親の相続を二度経験し、ご自身の相続を一度迎えることになります。相続と言っても、法律関係・税務関係・不動産売却等様々な要素が重なりあっております。一度や二度の経験では大変難しいものだろうと思います。幸いなことに、お客様から頂いたお仕事を通じ、様々な相続を経験してきました。お客様の相続を最善の相続にできるよう、私の経験をお客様に還元できればと思います。
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