相続コラム

未成年者等が相続放棄をする場合

1. 相続放棄と行為能力

相続放棄の手続自体は、家庭裁判所へ申述書を提出してすることになりますが、前提として申述人に相続放棄をする意思表示があることが必要であり、また、相続放棄の申述を有効に行うためには申述人本人が「行為能力」を備えている必要があります。

ここでいう行為能力とは、「法律行為を自分一人で有効に行うことができる資格」のことです。

行為能力について規定する民法では、次の者を行為能力が無い又は制限されている者(「制限行為能力者」といいます。)としています。

  • ① 未成年者
  • ② 成年被後見人
  • ③ 被保佐人
  • ④ 被補助人(当該行為に関して補助人へ同意権付与の家庭裁判所の審判があった場合に限る。)

以上のことから、制限行為能力者は単独では有効に相続放棄を行えないため、制限行為能力者自身が相続人である場合には、法定代理人が代わりに相続放棄の申述を行ったり、法定代理人の同意を得てする必要がでてきます。

2. 未成年者、成年被後見人が相続放棄をする場合

未成年者や成年被後見人が相続人である場合には、これらの者の法定代理人(親権者、成年後見人)が相続人本人に代わって相続放棄の申述を行うことになります(民法824条、859条1項)。

3. 被保佐人、被補助人が相続放棄をする場合

被保佐人が相続人である場合には、自分で相続放棄の申述をすることはできるものの、保佐人の同意を得る必要があります(民法13条1項6号)。

また、被補助人が相続人である場合にも、相続放棄の申述は自分でできるものの、相続放棄に関しての同意権が補助人に与えられていれば、その補助人の同意を得る必要があります(民法17条1項、13条1項6号)。

4. 相続放棄の熟慮期間の起算点

制限行為能力者と相続放棄にまつわる話として、「相続放棄の熟慮期間の起算点」という問題があります。

相続放棄をするためには、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に家庭裁判所で手続をする必要があります(民法915条1項)。

【重要:熟慮期間の注意点】
この熟慮期間に関して、相続人が未成年者又は成年被後見人であるときは、その法定代理人が未成年者又は成年被後見人のために相続の開始があったことを知った時から起算するとされています(民法917条)。

このコラムの監修者

えんどう たくや遠藤 卓哉
司法書士
埼玉県エリア担当
所属:司法書士みその法務事務所
司法書士の遠藤と申します。 弊所は、さいたま市緑区及び岩槻区にまたがる浦和美園地域にて開業しております。 相続は誰にでも必ず関係するお話ですが、いざ手続をするとなると「何をすればよいか分からない」「誰に相談したらよいか分からない」など不安を感じている方も多いかと思います。 相続手続は、必要な手続や期限が法律で決まっており、必要書類も多岐にわたるなど複雑な面もございます。そういった相続手続の不安や疑問を少しでも解消できるよう、弊所では丁寧かつ迅速なご対応を心がけております。 お客様にとってより良いお手続きとなるよう最大限サポートいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
えんどう たくや遠藤 卓哉
司法書士の遠藤と申します。 弊所は、さいたま市緑区及び岩槻区にまたがる浦和美園地域にて開業しております。 相続は誰にでも必ず関係するお話ですが、いざ手続をするとなると「何をすればよいか分からない」「誰に相談したらよいか分からない」など不安を感じている方も多いかと思います。 相続手続は、必要な手続や期限が法律で決まっており、必要書類も多岐にわたるなど複雑な面もございます。そういった相続手続の不安や疑問を少しでも解消できるよう、弊所では丁寧かつ迅速なご対応を心がけております。 お客様にとってより良いお手続きとなるよう最大限サポートいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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