相続コラム

【40代~70代向け】実家を相続したら要注意!

2024年義務化「相続登記」の全知識と罰則回避の手順

はじめまして。司法書士の時任です。

ご両親が亡くなり、実家や土地などの不動産を相続することになったものの、
「何から手をつければいいのか…」
「手続きが面倒そう…」
と感じている方は多いのではないでしょうか。

特に、相続手続きは初めての経験である場合が多く、どのようなステップがあるのか分からず、困ってしまうケースをよく拝見します。

実は今、「不動産を相続した際の対応」について、早急に対応が必要な非常に重要な変更点があります。

今回は、不動産相続をしたらまずやるべきこと、そして知っておくべき「相続登記の義務化」について、分かりやすく解説していきます。

なぜ今、名義変更が必要なのか?2024年からの「相続登記」義務化

不動産(土地や建物)を相続した場合、その名義を亡くなった方(親御様など)から相続人であるあなたへと変更する手続きを「相続登記」と呼びます。

これまでは、相続登記は義務ではありませんでした。そのため、「名義変更しなくても特に困らない」と手続きを放置してしまう方が多かったのです。

しかし、その状況が変わりました。2024年から、不動産を相続した場合の相続登記が義務化されたのです。

放置できない!義務化された背景と日本の現状

なぜ、国はわざわざ登記を義務化したのでしょうか?

それは、手続きの面倒さや費用から相続登記が行われなかった結果、日本中に「所有者不明の土地」が急増してしまったためです。その広さはなんと九州よりも大きく、日本の国土の約20%が誰の土地か分からない状態になっていると言われています。

所有者不明の土地が多いと、以下のような社会的な問題を引き起こします。

  • 地震などで被災した際の復興事業が滞ってしまう
  • 復興のための区画整理や道路整備が進められない

実際、東日本大震災の際にも、所有者不明の土地が復興の妨げとなってしまいました。こうした状況に歯止めをかけ、誰がその土地の持ち主なのかを明確にする目的で、相続登記が義務化されました。

知っておくべき2つの期限と罰則

この義務化のルールは、これから相続する不動産だけでなく、過去に相続したものの、まだ名義変更をしていない不動産にも適用されます。

名義変更をせずにそのまま放置しておくと、以下のような罰則が生じるため、十分注意が必要です。

対象 期限 罰則
これから相続する場合 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内 10万円以下の過料に処せられる場合があります
過去に相続した場合 2027年7月31日までに相続登記を完了する必要がある

名義変更を怠ることで生じる2つの大きなデメリット

罰則があること以外にも、相続登記をしないまま放置することは、将来的に大きなトラブルの火種となります。

1. 不動産の売却ができなくなる

相続登記が完了されていない不動産は、登記簿上の名義が亡くなった方のままです。売却するためには、相続人の名義に変更してからでないと、手続きを進めることはできません。

2. 相続関係が複雑化し、争いに発展する

名義変更をしないまま放置していると、時が経つにつれて相続人の数がどんどん増えてしまいます。そうなると、誰が権利を持っているのか分からなくなり、遺産の分割が非常に難しくなります。結果として、相続人同士の争い(相続争い)に発展してしまうリスクが高まります。

相続登記申請までの具体的な手続きの流れ

相続登記をスムーズに進めるためには、申請の前に以下の準備が必要です。

  1. ステップ1:遺言書の有無を確認する

    まず、亡くなった方が遺言書を残していないかを確認します。
    【要注意】 もし遺言書を発見しても、勝手に開封してはいけません。必ず家庭裁判所で「検認(けんにん)」という手続きが必要です。勝手に開けてしまうと、5万円以下の過料というペナルティがあります。

  2. ステップ2:すべての財産を調査し確認する

    不動産だけでなく、金融資産、動産、そして借金(負債)も含めて、亡くなった方のすべての財産を確認します。

  3. ステップ3:戸籍謄本を取得し、相続人を特定する

    亡くなった方(被相続人)が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍を取得し、相続人が誰であるかを明確にします。

  4. ステップ4:遺産分割協議を行う

    相続人全員で、遺された財産をどのように分けるかについて話し合います。全員の合意が得られなければ協議は成立しません。

複雑な相続手続きは専門家(司法書士)へ

相続登記はご自身で行うことも可能ですが、多くの書類を集める必要があり、非常に時間がかかるケースが多いです。そこで、専門家である司法書士に依頼することをお勧めします。

司法書士に依頼するメリット

  • 手間が省ける:書類収集や役所・法務局とのやり取りをすべて任せられます。平日に動けない方には大きなメリットです。
  • 効率的な進行:遺産分割協議書の作成なども含め、スムーズに手続きが進みます。
  • 負担の軽減:精神的・時間的な負担を大きく減らすことができます。

費用(報酬)の目安

総合的な対応を依頼した場合、報酬の相場は7万円〜15万円程度が目安となります。※不動産の評価額や相続人の人数によって増減します。

相続した不動産の売却を検討している方へ

すぐに売りたいと考えている場合は、相続案件に慣れている不動産会社に相談するのが最善です。専門の不動産会社であれば、司法書士や税理士、解体業者などと提携しているため、一気通貫で任せることができます。

※アドバイス
提携先からバックマージンを取る業者も存在し、費用が高くなるケースもあるため、見積もりはしっかりとチェックすることが大切です。

まとめ:早く動くことがトラブル回避の鍵

不動産を相続したら、義務化された今、できるだけ早く相続登記の手続きを進めましょう。

  • 義務化:2024年から相続登記は義務化されました。
  • 期限:相続を知った日から3年以内(過去分は2027年7月31日まで)。
  • 対応策:手間を減らすなら、司法書士などの専門家へ相談。

ご自身やご両親の相続について、ご不明点やご不安があれば、いつでもお気軽にご相談ください。スムーズな相続手続きをサポートいたします。

このコラムの監修者

ときとう ゆたか時任裕
司法書士
茨城県エリア担当
所属:司法書士事務所TOKITO
司法書士登録は一応21年目ですが、起業して2年目の若輩者です。分からないことだらけで日々勉強です。よろしくお願いします。
ときとう ゆたか時任裕
司法書士登録は一応21年目ですが、起業して2年目の若輩者です。分からないことだらけで日々勉強です。よろしくお願いします。

029-875-5991

「相続太郎を見た」とお伝えください

司法書士・税理士を探す

初回相談無料