所有者不明土地・建物管理制度
所有者不明土地・建物管理制度とは?令和5年施行の新制度を解説
みなさん、所有者不明土地・建物管理制度という制度をご存じでしょうか。
民法改正により、令和5年に導入された制度ですので、ご存じない方も多いかと思います。
今回は、令和5年民法改正の一つである「所有者不明土地・建物管理制度」について深掘りをしていきたいと思います。
制度の目的
この制度の主な目的は、所有者不明土地(または建物)の放置状態を解消し、管理・利用の促進を図ることです。
管理人を選任して維持・保存・処分を可能にすることで、周辺住民の安全確保や土地の有効利用につなげることが可能となります。
管理制度の対象となる場合
所有者を知ることができない場合や、所在が不明の場合が対象です。具体的には以下のようなケースが該当します。
- 登記簿上に所有者名はあるが、調査しても実在や所在・連絡先が確認できない場合
- 戸籍や住民票、法人登記などを調べても見つからない場合
- 所有者の氏名だけ判明していても、現実的に管理・意思確認ができない場合
【注意】
単に「所有者が管理していない」だけの場合は、本制度の対象とはなり得ないため注意が必要です。(その場合には「管理不全土地管理制度」が用意されています)。
手続きの具体的な流れ
実際に制度を利用する際の手続きは、以下のステップで進みます。
① 利害関係者が裁判所に申立て
制度を利用するためには、利害関係人から地方裁判所に申立てをする必要があります。
ここでいう利害関係人とは、周辺住民・共同所有者・地方自治体・抵当権者などの権利関係者が該当します。
② 裁判所が現況や調査状況を確認
申立てがあった場合、裁判所が実際に制度を利用すべきかどうかを確認します。
※放置されて倒壊の恐れがある建物や、雑草・ごみで地域に迷惑が及んでいる土地など、管理が欠かせない状態にあるときに必要と判断されます。
③ 管理命令の判断と管理人の選任
以下の要件を満たした場合に「管理命令」が出され、裁判所から管理人が選任されます。
- 所有者が不明・所在不明である
- 管理命令が必要と認められる
- 利害関係人の請求がある
④ 管理人による管理・保存の開始
選任された管理人は、原則として次のような権限を持ちます。
- 管理・保存行為(草刈り、擁壁・建物の維持など)
- 防犯・安全確保
- 管理命令の執行
- 地代・賃料の受領
- 維持管理に必要な契約締結
⑤ 裁判所の許可を得て処分や利活用
さらに、裁判所の許可を得ることで以下の「処分行為」も可能となります。
- 不動産の売却
- 賃貸借契約の締結
- 建物の解体処分
ここがポイント!制度のメリット
この新制度には、これまでの仕組みとは異なる大きなメリットがあります。
- 個別対応が可能:不在者全体の財産管理とは異なり、個々の不動産単位で対応できるため、手続きがスピーディーになります。
- 放置物件への対応:裁判所が管理人を選任する仕組みにより、長年放置された土地・建物にも対応可能です。
- 処分が可能に:裁判所の許可があれば、従来は困難だった売却などの処分行為が可能になります。
- 地域の安全重視:地域に対する安全確保や、土地の利活用促進という視点が強く反映されています。
以上、所有者不明土地・建物管理制度の紹介でした。
制度内容について少しはイメージをもっていただけたでしょうか。
ご自身、または身近にお困りの方がいる場合には、この制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
このコラムの監修者
- 司法書士
- 広島県エリア担当
所属:アップ・リーガル司法書士事務所
相続の手続は複雑なものが多く、手続きの種類も多岐にわたるため、どうしていいか分からないという方も多いのではないでしょうか。
当事務所では、お客様の「どうしよう」という不安な思いを「相談してよかった」と安心していただけるように、お客様に寄り添いながら手続きを進めさせていただきます。
ご依頼を真摯に受け止めお客様への思いやり、心づかいをもって一生懸命にお役に立ちたいと思っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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