配偶者居住権
配偶者居住権の内容について
配偶者居住権の内容についてみていきましょう。
- 対象物件:被相続人が所有していた住宅(持ち家)に限定され、借家・賃貸物件は対象外となります。共有名義の住宅も対象となります。
- 期間:原則は配偶者が亡くなるまでとなります。ただし、相続人全員の合意があるときは、期間を限定することも可能です。
- 居住条件:配偶者は無償で居住が可能となり、修繕費や管理費の負担の取り決めは別途可能となります。
- 制限:配偶者居住権が設定された場合には、売却や賃貸などの処分行為が制限されることになります。
配偶者居住権が成立するための要件
配偶者居住権は当然に発生する権利ではなく、成立するためには以下の3つのいずれかに該当する必要があります。
- 遺言で配偶者居住権を与えると定められている
- 遺産分割協議で合意する
- 家庭裁判所の審判がある
配偶者居住権の評価額と計算方法
相続財産の分割には直接関係ないのですが、配偶者居住権の評価を計算する方法があります。
計算方法の基本式(簡略化):
居住権の価値 = 家の時価 × 権利期間に応じた割合
基本式を紹介させていただきましたが、実務では計算が非常に複雑なため、弁護士や税理士の先生が関与することがほとんどです。そのため、詳細な算出方法のご紹介はここまでとさせていただきます。
「登記」の重要性について
配偶者居住権は登記をすることが可能です!
登記をすることで第三者にも主張が可能となりますので、権利が認められる場合には必ず登記をしておきましょう。
登記がない場合には、他の相続人や債権者が自宅を売却するリスクがあり、その際には自身に配偶者居住権があることを主張できなくなりますので、注意しましょう。
遺産分割との関係性と具体例
配偶者居住権が設定された場合、実際に家(所有権)を取得しなくても居住が保証されます。相続人での遺産分割の際には、居住権の価値を控除した残りの現金や他の財産を分けることになります。
【例:家の評価が5,000万円、配偶者居住権の価値が2,000万円の場合】
- 配偶者は家に無償で住み続ける権利(2,000万円分)を得る
- 他の相続人は残りの価値(3,000万円分)や他の財産を分割する
これにより、配偶者は住まいを確保しつつ、他の相続人も公平に財産を分割できます。
押さえておきたい重要ポイント
配偶者居住権を検討する上で、特に注意すべき点は以下の通りです。
- 一度設定すると原則やり直せないので、介護施設入居の可能性がある方は考慮が必要!
- 売却・賃貸ができないため、老後現金が必要な方は要注意!
- 固定資産税(建物分)・修繕費は配偶者負担になるため、維持費負担が重い。
- 生活保障を目的とした制度であり、必ずしも相続税が安くなるとは限らない。安易な節税対策として使わない方が良い。
まとめ
以上、配偶者居住権についてご紹介させていただきました。
配偶者居住権は、配偶者の住む権利を保護しつつ、相続人間で公平な遺産分割を可能にする法律上の制度です。家に住み続けたい配偶者を守り、現金や他財産でバランスを調整することができます。
奥様・旦那様が亡くなられて、お困りの方は配偶者居住権を検討されてみてはいかがでしょうか。
このコラムの監修者
- 司法書士
- 千葉県エリア担当
所属:松田事務所
相続太郎のホームページをご覧いただきありがとうございます。
司法書士の松田と申します。
司法書士をしていると、普通に生活していれば出会う事もなかったであろう人と、お仕事を通じて出会えることができ、面白いと感じております。しかも、マイホームの購入、ローンの完済、相続の開始等、皆様の人生において重要な節目に立ち会わせて頂くことができ、ありがたい職業です。
多くの方は、ご両親の相続を二度経験し、ご自身の相続を一度迎えることになります。相続と言っても、法律関係・税務関係・不動産売却等様々な要素が重なりあっております。一度や二度の経験では大変難しいものだろうと思います。幸いなことに、お客様から頂いたお仕事を通じ、様々な相続を経験してきました。お客様の相続を最善の相続にできるよう、私の経験をお客様に還元できればと思います。
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司法書士をしていると、普通に生活していれば出会う事もなかったであろう人と、お仕事を通じて出会えることができ、面白いと感じております。しかも、マイホームの購入、ローンの完済、相続の開始等、皆様の人生において重要な節目に立ち会わせて頂くことができ、ありがたい職業です。
多くの方は、ご両親の相続を二度経験し、ご自身の相続を一度迎えることになります。相続と言っても、法律関係・税務関係・不動産売却等様々な要素が重なりあっております。一度や二度の経験では大変難しいものだろうと思います。幸いなことに、お客様から頂いたお仕事を通じ、様々な相続を経験してきました。お客様の相続を最善の相続にできるよう、私の経験をお客様に還元できればと思います。