二次相続を考えないと損をする|相続税が増える家庭の特徴と対策方法
二次相続こそ“本当の負担”が現れる
相続税の相談では、一次相続(夫→妻)の税額ばかりに注目が集まりがちです。しかし、実際に大きな税負担が生じやすいのは二次相続(妻→子)です。
一次相続では配偶者の税額軽減が大きく働くため、税負担が小さく見える一方、二次相続ではその軽減がないため、税額が一気に増えるケースが少なくありません。
二次相続の税額が増える理由
二次相続で税額が増えやすい背景には、次の三つがあります。
1. 一次相続で配偶者に財産が集中しやすいこと
配偶者の税額軽減を使うと、ほとんど無税で財産を引き継げるため、財産が配偶者に集まりやすくなります。また配偶者の固有財産と合わさることで二次相続のときに相続財産が多くなる可能性が高いのです。
2. 相続人の人数が減り、基礎控除が小さくなること
一次相続では「配偶者+子ども」が相続人ですが、二次相続では「子どもだけ」になります。相続人が減ると基礎控除額も減り、相続税の課税価格が増えます。もちろん、一次相続の時に使えた「配偶者の税額軽減」はありません。
3. 財産整理の時間が限られること
配偶者が高齢の場合、一次相続から二次相続までの期間が短く、資産の見直しや整理が十分にできないまま次世代に移ってしまうことがあります。
税額が増えやすい家庭の特徴
特に次のような家庭では、二次相続で税額が増える傾向があります。
-
配偶者の財産が多い家庭
一次相続の際に配偶者が多く相続したり、すでに自身の財産を多く所有している場合には二次相続のときの相続財産が多くなります。 -
子どもの人数が少ない家庭
相続人が少ないほど基礎控除が小さくなり、課税対象が増えます。 -
子どもが実家に同居していない家庭
同居の相続人が自宅の敷地を相続すると、「小規模宅地等の特例」といって自宅の敷地の評価額を80%減額できる特例を適用することができます(上限:330㎡)。
しかし、同居していないとほとんどの場合で適用できず、結果として相続税が高くなります。
今日からできる二次相続対策
二次相続の負担を抑えるためには、次のような対策が有効です。
- 夫婦間の財産バランスを整える
一方に財産が偏ると、二次相続で高い税率が適用される可能性があります。生前贈与などを活用して、夫婦間の財産を適度に分散させることが重要です。 - 不動産の利用状況を見直す
住まいの整理や、将来の売却・活用の可能性を検討することで、次世代へのスムーズな資産移転につながります。 - 生命保険で納税資金を確保する
二次相続で税額が増えることを見据え、生命保険を活用して納税資金を準備する方法もあります。
まとめ:一次と二次を“セット”で考える
一次相続だけを考えると、二次相続で税額が跳ね上がることがあります。家族全体の税負担を抑えるためには、一次と二次を一体で考える視点が欠かせません。
夫婦の財産状況の把握や相続対策にお悩みの方は、専門家への相談がおすすめです。
【注意書き】
個別の状況により、適用できる特例や税額は異なります。具体的な相続税の計算や対策については、必ず税理士などの専門家にご相談ください。
このコラムの監修者
- 税理士
- 埼玉県エリア担当
所属:山宅孝道税理士事務所
税理士の山宅と申します。
私は23年に渡り税務署に務めてまいりました。とりわけ、相続税や贈与税にかかわる経験が長く、税務調査の実施も多数手掛けております。
これらの経験を生かし、皆さまの相続税の処理をスムーズに行うだけでなく、大切な家族の遺産をできる限り多くの残すことができるよう、サポートさせていただきます
税理士の山宅と申します。
私は23年に渡り税務署に務めてまいりました。とりわけ、相続税や贈与税にかかわる経験が長く、税務調査の実施も多数手掛けております。
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